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手のひらや指にできる汗疱は、汗のかきやすい春や夏に症状が現れて悪化し、秋や冬にかけて治まっていきます。

又、水ぶくれが潰れ「かゆい!」と余計に掻いてしまい、赤くなったり、痛みがでてきたり・・・と、とても辛い思いをします。

秋冬の涼しい季節が待ち遠しくなってしまいますよね?

しかし、暑い季節に現れる汗疱が、冬場にもできてしまった場合、その原因に悩んだり、違う病気を疑う方もいらっしゃると思います。

実際に冬場の汗疱に悩まされている方は少なくありません。

今回は、冬にできてしまったかゆい汗疱の原因や、夏場の汗疱の違いをご紹介していきます。

そして、原因別に改善方法も変わってきますので、ご自身の体と向き合ってしっかり治療していきましょう!
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汗疱とはこんな症状です!

汗疱は、水虫や主婦湿疹、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)等と間違われる場合が多い湿疹です。

ご自身の症状が本当に汗疱かどうか、もう一度チェックしてみて下さい。

汗疱は、手のひらや手の指に現れる1mmかそれ以下の小さな水ぶくれで、その中身の正体は「汗」です。

指湿疹や異汗性湿疹とも言われ、指の側面を中心に左右対称に症状が現れ、2~3週間もすれば水ぶくれの表面が硬くなり剥がれていきます。

菌によって起こるものではありませんので感染の心配はありません。

水ぶくれが潰れると辛いかゆみや痛みの症状が現れ、この状態は汗疱状湿疹と言われます。

冒頭でも記載した様に、汗をかきやすい季節に発症する場合が多いですが、冬にも水ぶくれができてしまう事があります。

汗疱の原因は一つではない!?1年を通して注意が必要です!

残念ながら、汗疱のはっきりとした原因は医学的に解明されていません。

しかし、大きな原因とされている点を5つまとめましたのでご紹介します。

1つ目は、手にかく汗が汗疱を引き起こすとされており、最も注目されている原因です。

冷暖房の使いすぎや運動不足により発汗機能が低下し、汗を上手く体外に排出できず汗腺が詰まってしまう為、水ぶくれができてしまうとされています。

では、どうして多くの汗をかかない冬場に汗疱ができてしまうの?と疑問に思われる方も多いと思います。

理由は、冬場は屋外と屋内の温度差が激しく、知らない内に多くの汗をかいている場合がある為です。

2つ目は、ビオチン欠乏症になっている事と腸内環境が乱れている事が原因とされています。

ビオチンは皮膚を健やかに保つのには欠かせないビタミンB群の一種です。

腸内環境が乱れる事により悪玉菌が増加し、ビオチンを食べてしまいます。

よって、肌の健康状態が悪くなり汗疱ができてしまいます。

3つ目は、歯科金属アレルギーが原因とされています。

歯科金属とは歯の治療に使われる銀歯の事で、口の中の水分で金属イオンが溶け出し、体内に蓄積される事で肌の異常を引き起こします。

実際に、汗疱患者の内30%の方が歯科金属を取り除いた事で、汗疱の改善が見られた結果もあります。

特に水銀(アマルガム)が用いられた銀歯には注意が必要です。

水銀は人体に悪影響を及ぼしますので、このせいで汗疱が起こっている可能性もあります。

現在の治療では水銀は使われていませんが、1990年代までは使われていましたので、思い当たる方は歯科医師に相談した方が良いでしょう。

4つ目は、食器用洗剤やシャンプー等に含まれる界面活性剤やシリコンの影響です。

食器用洗剤やシャンプーは、手に必要な油分までも落としてしまいます。

よって、肌の乾燥や肌荒れを引き起こしてしまいます。

最後に、ストレスの影響でも汗疱は現れてしまいます。

人はストレスに晒されると自律神経が乱れてしまいます。

すると発汗異常を招き、汗疱を引き起こしてしまいます。

又、人の体はストレスを感じると、ストレスホルモンとも言われるアドレナリンを分泌します。

ホルモンバランスが崩れる事によって、体の免疫力が低下し血中でヒスタミンが多く生成されます。

このヒスタミンが肌のかゆみを引き起こす原因となります。

いかがでしたか?

1つ目を除く、他の4つの原因は、夏に限定されたものではありません。

「汗疱=夏場の汗によるもの」と思い、冬にできた汗疱は他の病気!?と悩まれている方は、今一度ご自身の体の状態を見直してみて下さいね。
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原因によって変わる汗疱の改善方法

汗疱の治療薬としてよく処方されるのはステロイド軟膏です。

ステロイド軟膏は即効性はありますが、また悪化する場合が多く再発の確率は高いです。

汗疱のはっきりした原因が解明されていない為、コレ!と決まった治療法はありません。

しかし、自身の体の状態を知り、それに合わせた改善方法を行う方が長期的に見て効果があります。

発汗機能の低下により起こる汗疱には、適度な運動や入浴で血行を改善し、余分な水分や老廃物を排出して発汗機能を取り戻す必要があります。

そして、手のひらを清潔にし、ベビーパウダー等でサラサラの状態を保つ事も大切です。

ビオチン欠乏症と腸内環境の乱れが原因の場合は、ビオチンだけを摂取するのではなく、一緒に整腸剤やビタミンCも摂取する必要があります。

ビオチンのみを摂取しても悪玉菌の餌になるだけですので、整腸剤で腸内を整え、ビタミンCでビオチンの吸収率を高める事が肝心です。

注意する点は、正しい整腸剤を選ぶ事です。

整腸剤の中でも有名なビオフェルミンはビオチンを食べてしまいますが、ミヤリサンという整腸剤はビオチンと相性が良いですので、ビオチン・ミヤリサン・ビタミンCのセットで汗疱の治療薬として処方している病院も多いです。

歯科金属アレルギーが原因の場合は、内科や皮膚科でアレルギーのパッチテストを行ってみると良いでしょう。

歯科金属アレルギーが判明した場合は、歯科医師に相談して下さい。

水銀の銀歯をされている場合は、汗疱に関係なく人体に悪影響を及ぼしている可能性がありますので、パッチテストの前に歯科医師に相談してみた方が良いかもしれませんね。

食器用洗剤やシャンプーが原因の場合は、現在使用している物を変更してみたり、ゴムやビニールの手袋を活用する事がお勧めです。

ストレスが原因の場合は、規則正しい生活を心掛ける必要があります。

朝には、きちんと朝日を浴びて体と頭を起こしましょう。

夜には、夜更かしせずに質の良い睡眠を取る様にしましょう。

そして、バランスの良い食事や、適度な運動を行い自律神経を活性化する事も必要です。

ステロイドによる即効性のある治療は完璧ではありませんので、上記をご参考に、毎日少しずつ改善を目指して下さいね。

最後に

今回は、冬にできる汗疱の原因と、改善方法をご紹介してきましたがご参考になりましたか?

汗疱は夏場のみではなく、1年中注意が必要という事をお分かり頂けたと思います。

早く原因が解明され、即効性があり再発を防止できる治療法が見つかれば良いのですが、現在はまだステロイド等の軟膏で表面上の治療しかできません。

ですので、ゆっくりではありますが、ご自身の体の状態を知り改善していく事が大切です。

信頼できる医師に相談しながら、健やかな手を目指していきましょうね!

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