胃の粘膜に生息するピロリ菌は、胃炎・胃潰瘍・胃がん等の胃の病気を引き起こす原因となります。
そんな怖いピロリ菌は除菌する事で治りますが、実は除菌が失敗する事もあるのです。
失敗の原因としては、コーヒーやアルコールの摂取、喫煙、食事の内容等が挙げられます。
今回はピロリ菌除菌時にコーヒーやアルコールを避けるべき理由や、食事制限についてご紹介していきます。
厳しい食事制限はありませんのでご安心下さいね!
ピロリ菌除菌の成功率と失敗について
ピロリ菌の除菌には「胃酸の分泌を抑えて抗生物質の効き目を高める薬」「細菌の発育や働きを抑える薬」「ピロリ菌への抗菌作用を高める薬」の3種類の薬が処方されます。
これらの働きがある薬を、1日2回、1週間程服用します。
服用終了から約1か月~3カ月後に検査をし、ピロリ菌を死滅させる事ができれば治療成功です。
しかし、検査でピロリ菌が見つかった場合は失敗とし、再度薬の服用が必要となります。
除菌の成功率は、一次除菌で約70%、二次除菌で約90%となっており、全ての人が除菌に成功するわけではありません。
その上、ピロリ菌の三次除菌は自由診療の為、医療費は全額負担となり、多くのお金がかかってしまいます。
除菌時の注意点をきちんと知り、一次除菌か二次除菌でピロリ菌除菌を成功させましょうね!
コーヒーやアルコールを控える理由とは?
上記でもご説明した様に、ピロリ菌の除菌には「胃酸の分泌を抑えて抗生物質の効き目を高める薬」が必要です。
しかし、コーヒーやアルコールには胃酸の分泌を促す働きがあり、除菌薬の効果を減少させてしまいます。
コーヒーは、コーヒーの中に含まれる「チラミン」というタンパク質が分解して発生する物質がピロリ菌の除菌を邪魔します。
アルコールは、摂取後に体内で分解され「アセトアルデヒド」という有害物質になります。
本来なら肝臓内の酵素が、この有害物質を分解してくれますが、除菌中は分解する力が弱くなり、頭痛や吐き気等の副作用まで表れてしまいます。
コーヒーもアルコールも共に、二次除菌で処方される「メトロニダゾール」という薬と非常に相性が悪いですので、この薬の服用中には注意が必要です。
又、除菌薬の服用で胃や肝臓に負担をかけてしまっているのに、これらを摂取する事でさらに負担が増してしまいます。
よって、除菌中はコーヒーやアルコールの摂取を控える様にしましょう。
その他に注意するべき食べ物とは?
上記以外にも、除菌中は胃がデリケートになっている為、香辛料等が多く含まれる刺激物は控えた方が良いでしょう。
消化の良い物や、胃の粘膜を保護する物を摂取しましょうね。
又、お酒だけではなく甘い物も過剰摂取はしない方が良いでしょう。
普段お酒を飲む人や、甘い物が大好きな少しふくよかな方ですと、肝機能が低下している可能性もあります。
ですので、お菓子やジュース、パンやご飯等を、除菌中に多く摂取する事で肝臓へ負担がかかってしまいます。
アルコール程、注意が必要なわけではありませんが、少しでも控えた方が良いでしょう。
これらにも意識しながら、除菌中の食事を考えてみて下さいね。
ピロリ菌の除菌を成功させるには?
最も大切な事は、医師に処方された薬をしっかり摂取する事です。
飲み忘れや、自己判断で薬の用量を減らす等は絶対にしない様にしましょう。
そして、医師によって注意される方と、されない方がいらっしゃいますが喫煙も控える様にしましょう。
コーヒーやアルコールと同様に、タバコも胃や肝臓に負担をかけてしまいます。
食事を制限して成功率を高める以外にも、摂取するとピロリ菌除菌を手助けしてくれる食べ物もあります。
飲み物では、ココアや緑茶がピロリ菌の除菌を助けたり、働きを抑制させる効果があります。
普段からコーヒーを飲む習慣がある方は、こちらを代わりに飲むと良いと思います。
食べ物では、LG21乳酸菌が含まれるヨーグルトが効果的です。
ほとんどのヨーグルトは、胃酸に弱く生きて腸まで届く事がありませんが、LG21乳酸菌は胃酸に強く、胃の中でしっかり活動してくれます。
よって、胃の粘膜に付着し、そこに生息するピロリ菌の働きを抑えてくれます。
除菌治療の1か月程前から食べておくと、ピロリ菌を弱らせる事ができ、除菌の成功率を高めてくれる効果があります。
最後に
今回はピロリ菌の除菌時に摂取を控えるべき物や、除菌の成功率を高める物をご紹介してきましたが、ご参考になりましたか?
胃の病気を引き起こすピロリ菌は何としてでも除菌を成功させる必要があります。
その上、一次除菌・二次除菌で成功させないと、次に除菌する場合は高額の医療費がかかってしまいます。
ですので、飲酒や喫煙等の習慣がある方、リフレッシュにコーヒーを飲む方には辛い1週間になるかもしれませんが、少しの間我慢する事をお勧めします。