あなたは”かしこ”という言葉を使った事がありますか?
もらった手紙に書かれていたけど、どういう意味か分からない・文例がないと使い方もよく知らないという方は多いのではないでしょうか。
近年ではメールやSNSで人とのやり取りができますが、そんな時代だからこそ心を込めて手紙を書くという方も増えてきています。
そこで今回は、”かしこ”の意味や使い方をご紹介していきます。
又、分かりやすいように文例も記載していますので、ぜひご参考にして下さいね!
”かしこ”にはどういう意味があるの?由来も教えて!!
”かしこ”という言葉は、平安時代の古語である「かしこし」からきている言葉で、「恐れ多い」「かしこまり申し上げます」等の意味があります。
又、「可祝(かしく)」という表し方もあり、「これで失礼致します」という意味も持っています。
よって、”かしこ”を手紙の文末に持ってくる事で「これで手紙は終わりです」という使い方ができるのです。
”かしこ”というのは、本来女性が目上の人に使う言葉なのですが、平安時代に女性が書く手紙と言えば恋文、つまりラブレターでした。
あなたにも共感して頂けると思いますが、ラブレターを好きな人に渡して、それを他人に見られるのって、嫌ですよね・・・?
そこで平安時代の女性は「絶対に他人に見せないで下さいね」という念押しとして「あなかしこ」と文末に記載していたそうです。
これが”かしこ”の由来とされているのですよ。
”かしこ”の意味や由来はお分かり頂けたと思いますので、下記では”かしこ”の使い方についてご紹介していきますね!
”かしこ”の正しい使い方とは!?
先程も少し記載しましたが、”かしこ”というのは女性のみが使う言葉で、目上の人に私用の手紙を書く際に用いるのが一般的です。
又、”かしこ”にはカジュアルな印象がある為、ビジネス等の公的な文章には使いませんので、覚えておいて下さい。
そしてご存じだとは思いますが、頭語に「拝啓」を使うと、結語には「敬具」を使わなくてはいけない決まりがありますよね。
しかし、”かしこ”にはペアで使用するべき言葉がありませんので、「拝啓」や「前略」等のどんな頭語にも用いる事ができるのです。
さらに、頭語なしでいきなり季節の挨拶から始めた場合でも、文末に使用する事ができますので、比較的使いやすい言葉なのですよ。
今まで使った事がなかった・・・という方は、ぜひ、厳しい決まり事がない”かしこ”を使ってみて下さいね!
”かしこ”の文例って?正しく使って素敵な手紙を完成させよう!!
それでは、ここで”かしこ”の文例をご紹介していきます。
まずは手紙の構成を記載しますので、覚えておくと便利ですよ。
(1)頭語・・・「拝啓」や「前略」等の書き出しの言葉を記載します。
(2)前文・・・時候の挨拶を記載するのですが、親しい間柄であれは省略して「前略」を記載します。
(3)主文・・・この手紙で伝えたい事を記載します。
(4)末文・・・結びの挨拶を記載します。
(5)結語・・・「拝啓」には「敬具」、「前略」には「早々」等、頭語の対となる言葉を記載する箇所で、「かしこ」もここに記載します。
(6)後付・・・手紙を書いた「日付」「署名」「宛名」「脇付」を記載します。
(7)追伸・・・主文とは関係ないが、追記する内容があれば記載します。
上記が手紙のテンプレートになります。
では、これから具体的な文例を記載していきますね。
------------------------------
拝啓
やわらかな春風に心華やぐ季節となりました。
皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。
先日は結構な贈り物をいただき、ありがとうございます。
お心遣いに、心から感謝いたします。
~~~~~省略~~~~~
うららかな好季節、心穏やかにお過ごしくださいませ。
かしこ
平成29年4月10日
山田 花子
田中 太郎様
------------------------------
このような文例になります。
”かしこ”を用いるのはとても簡単ですので、あなたもぜひ使ってみて下さいね!
最後に
今回は、”かしこ”の意味や使い方についてご紹介してきましたが、ご参考になりましたか?
”かしこ”とは、女性が目上の人に出す手紙に記載する言葉ですので、男性が使用したり、ビジネスシーンで使用するのは相応しくありません。
この点を抑えておいて下さいね。
又、手紙の主な構成は決まっていますので、覚えておいて損はないと思います。
正しい手紙の書き方、正しい”かしこ”の使い方をマスターして、心のこもった素敵な手紙を届けましょうね!